今週は、スリーフラッグス社員Oさんの
エピソードをご紹介したいと思います。
今現在スリーフラッグスは創業6年目。
アウトバウンド事業でスタートした訳ですが、
Oさんは4人目の社員として仲間入りしました。
当初、まだまだ事業は軌道に乗っておらず、
お化けが出そうなマンション1室で
運用している時期でしたので、
弊社に入社すること自体が勇気のいる
決断だったのではないかと思います。
Oさんは入社当時から真面目一本槍。
"堅物" とはOさんから生まれた言葉では
ないかと思うくらいの "堅物中の堅物" でした。
曲がった事が嫌いで、ルーティンを大事にし、
決められたルールの中で
しっかりと結果を出しますが、
臨機応変な対応、柔らかな表現、
自然な笑顔で応対することがとても苦手で
怖がるコミュニケーターもいるくらいでした。
そんなOさんには、感情のコントロール、
日頃から笑顔でいること、
柔らかい頭になってほしいと
口酸っぱく言い続けてきました。
よくギプアップしなかったと思うくらいです。
そんなOさんと先日、クライアント様との
食事会に行くことがありました。
そのクライアント様(ご担当者様)は、
スリーフラッグスが創業当時、
絶体絶命のピンチに追い込まれている時、
最初に手を差し伸べてくれた恩人であり、
感謝しても仕切れないほどの企業様です。
社員Oのことは入社当初からご存知の方ですが、
案件担当を別の社員が対応していた為、
数年ぶりの顔合わせとなりました。
常にユーモアを交えてコミュニケーションを
取られる方の為、堅物のOさんにとっては
最も苦手で手強い相手に感じていたはずです。
ただOさんはこの数年間、そんな堅物な自分を
変革したいと自分自身と向き合うことに
挑戦してきました。
本当に、本当に頑張ってきたのです。
私や他の社員は、その血の滲むような
努力からの大変革、大成長を
間近で感じておりましたが、
クライアント様やコミュニケーターに認めて頂いて、
はじめて成長と呼べるのではないかと
私は考えておりました。
だからこそ、観察眼が異常に鋭いクライアント様が
社員Oとの会食を通して、
どう変化を感じ取られるかが心配でもあり、
楽しみでもありました。
「Oさん、雰囲気が柔らかくなりましたね」と
開始早々のお言葉。
Oさんの努力が報われた瞬間でした。
ですが、それだけでは終わりませんでした。
Oさんにはとんでもない試練が待っていたのです。
「Oさんって、ずんの飯尾さんに
声とか話し方とか似てますよね」
この言葉だけを残し、クライアント様は
喫煙ルームへと消えて行きました。
その場にいた私やOさんを含め、4人の社員で
緊張感のある打ち合わせがスタート。
私「あれは飯尾さんのギャグをやってほしいという
前振りなんじゃないか?」
Oさん「やったほうがよろしいのでしょうか」
社員A「やったらウケるんじゃないですか」
Oさん「スベったらどうしましょう」
社員B「あの方達なら努力を買ってくれますよ」
Oさん「どうやればよろしいのでしょうか」
こんな会話が繰り広げられ、
みるみるOさんの酔いは覚め、
顔が引きつりはじめました。
少なからず私は、入社して4年以上
付き合ってきましたが、
Oさんがギャグや面白いことを
狙ってやるのを見たことがありません。
そして運命の時はきたのです。
ご担当者様が喫煙ルームから戻り、
席について顔をあげた瞬間、
"メガネとデットヒート"
と、メガネを使ったギャグをぶちかましたのです。
ご担当者様は大爆笑。
その後も何度も面白かったとお褒め頂き、
最後は「一皮むけましたね」と
一生の思い出となるお言葉を
頂戴することができたのです。
恥ずかしがり屋で内気なOさんが、
人前でギャグをやるということは、
私達が想像するよりもはるかに勇気が
必要だったのではないかと思います。
その勇気が私には、"殻を破る音"
に聴こえた夜でした。